いつもはご飯を楽しみにしている愛犬が、急に食べなくなると心配になります。体調が悪いのか、好みの問題なのか、寂しくて構ってほしいのか。理由が分からないまま様子を見るのは不安なものです。
犬がご飯を食べない原因には、一時的な気分や生活環境の変化から、口の痛み、消化器の不調、全身の病気まで幅広い可能性があります。大切なのは、食べないことだけで判断せず、普段との違いを確認することです。
最初に確認したい食べない状態
- すべての食べ物を口にしない
- ドッグフードは食べないがおやつは食べる
- 食べたそうにするが口に入れられない、または落としてしまう
- 少し食べたあとにやめる
- 水も飲まず、元気もない
- 嘔吐や下痢など別の変化がある
好きなものなら食べる場合と、水も飲まずぐったりしている場合では対応が異なります。最後に普段どおり食べた時間と、その後に口にしたものを整理しましょう。
犬がご飯を食べない主な理由
フードや生活環境の変化
フードを変更したときや、引っ越し、旅行、来客、家族の生活時間の変化があったときは、匂いや環境への戸惑いから食欲が落ちることがあります。暑さや運動量の変化で食べる量が減る犬もいます。
ストレスや緊張がある
留守番時間が長くなった、新しい家族や動物を迎えた、工事や雷など大きな音が続いたといった変化は、犬のストレスになる場合があります。食事場所が落ち着かない、食器や周囲の匂いが変わったなど、食事中の環境も確認しましょう。
安心して食べられる静かな場所を用意し、散歩や遊び、休息の時間をできるだけ一定にします。食欲低下が続く場合や、震え、下痢、嘔吐、元気がないなど別の変化がある場合は、ストレスだけと決めつけず動物病院へ相談してください。
おやつや人の食べ物を食べている
おやつが多かったり、家族の誰かから食べ物をもらったりすると、空腹ではない可能性があります。家族全員で、その日に与えたものと量を確認してください。
フードが好みや体調に合っていない
粒の大きさや硬さ、香りが好みに合わないほか、急な切り替えで食べにくくなることがあります。新しいフードへ変える場合は、体調を見ながら以前のフードに少しずつ混ぜ、段階的に割合を増やす方法があります。必要な栄養や適量は年齢、体格、健康状態によって異なるため、迷う場合は獣医師へ相談しましょう。
加齢によって食欲や食べ方が変わった
高齢になると活動量や嗅覚が変化し、食べる量が減ることがあります。一方で、歯や口の痛み、持病などが関係している可能性もあります。年齢のせいと決めつけず、体重減少や飲水量、排泄、歩き方なども確認してください。
構ってほしくて食べない行動が続いている
ご飯を残したときに飼い主が声をかける、手から食べさせる、おやつや別のフードを出す、といった対応が続くと、犬が「食べなければ構ってもらえる」「もっと好きなものが出てくる」と覚える場合があります。寂しさや生活リズムの変化がきっかけになることもあります。
ただし、構ってほしい行動に見えても、体調不良を先に除外する必要があります。元気や排泄に変化がなく、獣医師にも健康上の問題がないと確認できた場合は、食事時間を決める、おやつの量を見直す、食事以外の時間に遊びや触れ合いを増やすなど、生活全体を整えます。叱ったり、無理に食べさせたりする必要はありません。
口や歯に痛みがある
食べたそうなのに口にできない、硬いものだけ嫌がる、食べ物を落とす、よだれが増えた場合は、歯や口の痛みが隠れている可能性があります。無理に口を開けず、動物病院へ相談してください。
消化器や全身の不調
胃腸の不調だけでなく、感染症、内臓の病気、痛みなどでも食欲は低下します。食欲不振だけで原因を決めることはできないため、元気、呼吸、嘔吐、下痢、排泄なども確認します。
早めに動物病院へ相談したい状態
- 水もほとんど飲まない
- 繰り返し吐く、下痢や血便がある
- ぐったりして反応が弱い
- 呼吸が苦しそう、倒れる、立てない
- お腹が膨れている、触ると強く嫌がる
- 異物や有害なものを口にした可能性がある
- 子犬、高齢犬、持病のある犬が食べない
このような状態では、オンライン診療の予約を待たず、近くの動物病院や救急対応の動物病院へ連絡してください。緊急性は年齢、体格、持病によっても変わります。
相談前に記録しておくこと
- 最後に食べた日時と食べた量
- 水を飲んでいるか
- 元気、睡眠、活動量の変化
- 嘔吐、下痢、便、尿の状態
- 最近のフード、薬、生活環境の変化
- 誤食の可能性
気になる行動や呼吸は、可能であれば動画に残しましょう。診察時に症状が落ち着いていても、普段との違いを獣医師へ伝えやすくなります。
食欲の変化に気づくために普段からできること
- 食事の時間と一回量をできるだけ一定にする
- おやつや家族から与えた食べ物も含めて量を把握する
- 散歩や遊びで無理のない運動と気分転換の時間をつくる
- 体重、食べる速さ、飲水量、便や尿の普段の状態を知っておく
- 口臭、よだれ、噛み方など歯と口の変化を確認する
毎日完璧に記録する必要はありません。普段の状態を簡単に残しておくと、いつから何が変わったのかを獣医師へ伝えやすくなります。
迷ったときはオンラインで相談する方法もある
すぐに病院へ行くべきか分からないときや、まずかかりつけの獣医師に状況を伝えたいときは、動物病院が提供するオンライン相談やオンライン診療を利用できる場合があります。映像と音声で犬の様子を共有し、獣医師がオンラインで対応できるか、対面診療が必要かを判断します。
触診、血液検査、画像検査、緊急処置が必要な状態は、オンラインだけでは対応できません。pet watchは、飼い主と動物病院をオンラインでつなぎ、必要なときに相談しやすい環境づくりを進めています。
犬がご飯を食べないときのよくある質問
ドッグフードは食べないのに、おやつは食べます。様子を見てもよいですか?
好みやおやつの与えすぎが関係することはありますが、口の痛みなどで硬いフードだけ食べにくい可能性もあります。元気、飲水、排泄、食べ方を確認し、繰り返す場合や別の変化がある場合は動物病院へ相談してください。
構ってほしくて、ご飯を食べないことはありますか?
食べないと声をかけてもらえる、手から食べさせてもらえると学習し、同じ行動を繰り返す場合があります。ただし、見た目だけで体調不良との区別はできません。健康上の問題がないことを確認したうえで、食事時間とおやつのルールを整え、触れ合いは食事以外の時間に増やしましょう。
食べないとき、オンライン診療だけで分かりますか?
オンラインで犬の様子や記録を共有し、次の対応を相談できる場合がありますが、原因の判断に触診や検査が必要なこともあります。対応範囲は動物病院と獣医師の判断によって異なり、緊急性が疑われる場合は対面診療が優先されます。
※本記事は一般情報であり、診断や治療の代わりではありません。不安がある場合は動物病院へご相談ください。